センターについて

概要

次世代知能科学研究センター(Next Generation Artificial Intelligence Research Center)、略してAIセンター(AI Center)は、現状の人工知能技術の枠組みとその限界を超え、真に人間のためになり、将来の社会、産業、経済、文化、学術を駆動する新たな次世 代知能科学体系の構築と応用、それを踏まえた将来社会ビジョンの提示と実現、および先進的な教育体系の構築と先端人材育成を目指し、東京大学 の多様な分野が文理を越えて融合し総合力を発揮する連携研究機構として活動しています。

次世代知能科学の推進

本学の先鋭的研究を格段に発展させつつ関連先進学理を含め融合し、次世代知能科学体系を創出し研究推進するため,「次世代知能科学融合研究」の企画・推進,センター構成員に加え学内外・海外の文理を超えた関連分野の研究者等が参加する「次世代知能科学アライアンス」の構築・活動,産業界との包括的共同研究、ベンチャー創出等にも注力します。

知能社会将来ビジョンの提案

人工知能技術の発展と浸透に伴う社会変化と社会問題に関する検討と提案に加え、次世代知能科学が拓く可能性のもとで将来の社会・経済・文化・学術はどうあるべきか、またそのための研究課題は何か、を具体的に描き、対外発表してフィードバックを得つつ、国の施策への提言等含め、社会の先導に取り組みます。

人材育成

人工知能技術が浸透し急速に変わる社会を担い先導する社会人と次世代知能科学の教育研究を推進する研究者を育成するため,先進的な統合教育体系を構築・実施し、学生への経済的支援も行っています。また、若手に重点をおき、優秀な研究者および社会人を積極的に登用し、上記の研究・教育活動への参加を通して育成します。

センター長より

國吉康夫

國吉康夫(くによし やすお)

東京大学 次世代知能科学研究センター長・大学院情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻 教授

略歴

1985年東京大学工学部物理工学科卒業,1991年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻修了,工学博士,同年通商産業省工業技術院電子技術総合研究所研究員,1996年~97年MIT人工知能研究所客員研究員,2001年東京大学助教授,2005年同教授.2012~7年新学術領域研究「構成論的発達科学」領域代表,2012年~理研BSI-トヨタ連携センター長兼務,2016年~東京大学次世代知能科学研究センター長兼務.身体性に基づく認知の創発と発達,ヒューマノイド全身行動のコツと目の付け所,動的実世界知能,人間型AIなどの研究に従事.日本ロボット学会論文賞,佐藤記念知能ロボット研究奨励賞,IJCAI(国際人工知能学会)最優秀論文賞,ゴールドメダル「東京テクノ・フォーラム21賞」,大川出版賞等受賞.日本学術会議連携会員,日本ロボット学会フェロー.IEEE, 日本ロボット学会,人工知能学会,情報処理学会,発達神経科学学会,日本赤ちゃん学会の会員.主な編著書に「ロボットインテリジェンス」(共著,岩波書店2006),「身体を持つ知能」(共著,シュプリンガー・ジャパン2006),シリーズ「身体とシステム」(共編,全6巻,金子書房2001-2002),”Embodied Artificial Intelligence” (共編著,Springer, 2004),「知能の謎」(共著,講談社2004)など.

センター長メッセージ

当センターは、現状の人工知能の枠組みを超え,真に人間のためになり,将来の社会を駆動する,新たな知能科学技術体系を創出し,社会実装していきます.

研究の焦点は,「動的実世界知能」と「人間的人工知能」です.

前者の「動的」とは,どんどん変化するということ.囲碁の盤面や倉庫の物品操作などの限定世界でなく,何が起こるかわからない,我々が今生きている動的実世界の中で賢く行動するためには,実世界の変化に柔軟に対応できる生物的な知能の原理が必要です.そのためには,身体性に基づく行動と認知の創発・適応・発達,動的情報処理を行う次世代ニューロモルフィックコンピューティング,神経科学・行動学・心理学を含む生体知能解明研究,生物的ロボット・IoTのための革新的材料・デバイス・機構,などを総合した取り組みが必要です.

後者の人間的人工知能は、人間の心や価値観,倫理も理解することで,人間に寄り添った支援や,正解のない実世界の問題に対して人間が納得できる判断を行います。認知科学,神経科学,脳型情報処理,情動認識・理解,ヒューマンインタフェース等に加えて,社会学,経済学,法学,政治学,哲学など,人間に関する多面的な研究アプローチが協働することで初めて実現可能となります.

さらに、人工知能の活用や影響によって社会が大きく変わりうるならば、我々はどのような社会を目指すべきか,そのためにはどのような新技術や社会制度が必要か.従来の枠組みにとらわれず,あるべき姿について議論・検討し,取り組んで行く必要があります.そのためには,人文社会系の研究者との緊密な協力が不可欠です.

これらの研究成果を社会に発信し,また,実装することで社会の進歩に貢献するとともに,リアルなフィードバックを受けて基礎研究も進歩させます.このために,産業界はじめ様々なパートナーと連携した取り組みを展開していきます.